MICEで日本をリードする九州3都市の挑戦[福岡市・北九州市・熊本市]

座談会ARCHIVE
本記事は2019年8月30日発行の季刊誌『EventBiz』vol.16で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。

施設の最新状況をみる

(L→R)中野 好孝 氏(福岡コンベンションセンター)、大村 亮太 氏(熊本市 経済観光局)、髙橋 英樹 氏(熊本国際観光コンベンション協会)、古賀 敦之 氏(北九州観光コンベンション協会)

―最近の施設稼働状況は好調と聞いていますが、皆さんの最新動向や活動状況を教えてください

中野 福岡コンベンションセンターは福岡国際会議場、マリンメッセ福岡、福岡国際センターの3施設を運営しています。このうち国際会議場の2018年度の室数当たりの利用率は、主要な会議室であるメインホール・多目的ホール・国際会議室の利用率は79.8%、中小会議室18室の利用率が64.9%でした。利用件数も国際会議や学術会議の開催件数が49件と過去3年間で最多となっており、全体の催事件数は858件と前年度より40件増加しました。

また、マリンメッセ福岡の利用率は対前年度比6.5%増の90.4%で、展示会利用とコンサート・興行利用がそれぞれ約4割と大きな比重を占めます。

福岡国際センターの利用率も対前年度比3.3%増の93.7%と極めて高くなっており、2019年にはコンベンションセンターとしては初のeスポーツ大会「EVO Japan2019」を誘致するなど新規催事の誘致にも積極的に取り組んでいます。

最新の話題としては「 第19回FINA世界水泳選手権2021福岡大会・第19回FINA世界マスターズ水泳選手権2021福岡大会」の招致が決まるとともに、その会場の1つとなる「第2期展示場」の建設も急ピッチに進んでおります。ですが、マリンメッセ福岡、福岡国際センターを含めた3施設内に仮設プールを造ることになりますので少なくとも3か月以上、一般の方々や、リピーターのお客さまにご迷惑をおかけすることになるため、影響が考えられるお客様には、早めの日程調整や他施設の紹介などの提案を行い、できるだけご迷惑をお掛けしないよう努めております。

古賀 西日本総合展示場(本館・新館)、北九州国際会議場を運営する北九州観光コンベンション協会は、平成29年4月に組織統合しましたが、その特徴はMICEの誘致部門、事業部門、観光事業部門があるため、MICEに関する一連の業務を組織内で完結できることです。

最近の取組みですが、見本市・展示会事業ではSDGsの紹介や市場とつながるビジネスマッチングなど8つの主催事業を展開。また会議・大会の誘致・支援事業では、北九州市がグローバルMICE都市に選定されて以来、ローカルホストやステークホルダーとの連携を強化し、国際会議件数は全国8位(2017年)と好成績をおさめています。

施設の稼働率についても西日本総合展示場新館・本館それぞれの利用状況は日稼働率86%を超え、北九州国際会議場では日稼働率96%まで上昇しています。

大村 今、建設を進めている熊本城ホールは、熊本市の中心地にある桜町地区再開発施設内にオープン予定でして、1階イベント・展示ホールが10月13日にオープンした後、順次、段階的に各フロアを開業し、全館グランドオープンは12月1日に迎えます。

熊本城ホールの特徴は3,000人規模のコンベンションを単独開催できることと、ホールツアーコンサート会場として利用できるため、新たな交流を創出します。

地域におけるMICEの取組み

―MICEの誘致にはMICE関連組織や地元企業の協力など多数の要素を組み合わせる必要があるかと思いますが、どのような取組みを進めていますか

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