「新しいイベント様式」とイベントツールの進化

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本記事は2020年8月31日発行の季刊誌『EventBiz』vol.20で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。

延期・中止が相次ぐビジネスイベントやスポーツイベント、ライブ、コンサートでは新しい生活様式に対応したものが求められている。新しい生活様式の実践例には、ソーシャルディスタンスを保つことや3密回避、マスクの着用、接触確認アプリの活用、感染が流行している地域への移動を控えること、屋内より屋外を選ぶことなどが挙げられるが、これらがイベント開催時の留意点でもある。

人々が集まる状況を避けることが推奨される中でのイベント開催は課題が多いが、その課題解決のため、新たな価値を提案するツールが数多く登場している。新型コロナ対策のためのイベントツールを目的別におおまかに分類すると、❶人との接触を防ぐもの(バーチャル開催やライブ配信、接客ロボットなど)、❷会場内への感染者の入場を防ぐもの(検温ゲート、サーマルカメラなど)、❸会場内で感染拡大や3密を防ぐもの(飛沫防止パーテーション、サニタイザー、動線誘導ステッカーなど)、❹感染者発生時に備えるもの(接触確認アプリなど)が挙げられる。これらを複合的に活用していくこととなる。

バーチャルの活用

従来、良いイベントはより多くの人が集まるものという認識があったため、イベントの成否が動員数によって語られることが多かった。しかし現在、安全面から1カ所に集まることが困難になったことでバーチャルイベントに対する注目が高まり、オンライン上での開催を実現するためのツールが増えている。だが、リアル開催の代替案としてバーチャル開催に至るケースも多いため、中にはオンラインだからこそ実現できるコンテンツというよりは単なるリアルな雰囲気を模しただけのものも存在する。とはいえ技術的にはバーチャル上のアバター同士が交流するなども可能なため、今後の発展を期待できる分野である。

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