『EventBiz』vol.24|特集① イベントはテクノロジーで“こう”変わる
いかに驚きや感動を与え、体験価値を向上させるか。イベント主催者の使命達成を支える立場として、技術者たちは日々イベントテクノロジーの開拓に奮励する。特集ではテクノロジーの使い手と作り手にフォーカス。テクノロジーを使ったユニークな発想や体験のほか、それらを実現させた数々の技術を紹介する。
開催期間が短いイベントでは、空間演出に必要な映像や音響機材は購入せず、必要なタイミングでレンタルすることが一般的だが、シーマのようなレンタル業務を手掛ける企業に依頼するケースも多い。レンタル業を営む企業はそれ相応のリスクを抱えている分、製品の「目利き力」には定評があり、ある意味、イベント演出のトレンドを掴んでいるともいえる。今回はシーマ・常務取締役の石丸隆氏にイベントで活躍する機材の活用について聞いた。
[Contents]
イベント向きの機材とは
─イベント現場で主力になりやすい機材の傾向は何でしょうか。
絶対的な定義はありませんが、昨今、クライアントのニーズは多様性に富んでおり、われわれのようなイベントオペレーション業務や機材レンタルを扱う業者はクライアントにより多くの選択肢を提案し、そのイベントに最適な機材のチョイスを一緒に考えています。その繰り返しの結果、比較的同じような機材が選定され主力機材になっていくのではないでしょうか。
また、合わせてバックアップ体制が取りやすい機材選定も非常に重要です。当社でもバックアップリカバリーに加え、同業他社からの借用も可能な機材だと運用中のトラブルにも二重三重の対策がとれるので、結果的にレンタル運用されている機材の絶対数が多い機材が選ばれやすい場合もあります。
─機材導入時のポイントを教えてください。
ポイントはさまざまで、常に新しく高機能であればいいとは限りません。確かに、最新型機材の性能の恩恵によって今までできなかった演出が、よりローリスクでコンテンツの品質を損なうことなく実施できるなど、新機材の導入によってクライアントが求める要望や欲求がかなう利点も多いように感じますが、同時に新旧問わない高バランスなシステムの組み合わせも求められるように思いますので、現行機や少し古い機種であっても導入タイミングがあれば追加購入したりします。
一方で、プロジェクターや LEDはより高輝度・高解像度に価値があるとか、メディアサーバーや IP スイッチャーがないと高付加価値の高い運用に関われないといった場面はあります。導入した機材で何をするか、どのようなゾーニングの案件に関わるかによってずいぶん変わってくると思いますが、われわれ運用側としては、より最新の高機能で便利なトラブルの少ない機材は安心して運用できますし結果的にクライアントへのサービス向上にもつながります。
現場を知りヒントを掴む
─機材のプロであり続けるために行っていることは何でしょうか。