本記事は2016年5月31日発行の季刊誌『EventBiz』vol.3で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。
来場者の特性や現状の法律、制度を知らないリスクは思いのほか大きい
昨年秋、ある大型店が、補助犬の入店を断ってしまったというミス(法律違反)を犯した。当事者だけでなく、その状況を見ていた他のお客さまからクレームの嵐になり、あっという間にネット上でも炎上し大きな信用失墜問題になった。
その大型店は、はじめて盲導犬の入店を受け入れた、障がいのある人にも理解のあるところ。なのになぜそのようなことが起こったか。そこに、イベントの現場でも大いに起こりうるリスクを感じた。なぜかというと、多くの場合、ダイバーシティの推進や障がい者雇用に関しては、総務部や人事部、あるいはCSRなど社長室直轄部門が担当している。「企業としてはきちんと取り組んでいます」という姿勢をステークホルダーに示すことに重点が置かれており、他の部署では、これらの問題はあそこがしっかりやっているから自分たちには関係ない、という姿勢をとっている。そこに要因があると感じている。この姿勢が、実は怖いのだ。先の大型店もしかり。直接お客さまに接する第一線のスタッフやそのリーダーたちが、社会の新しい法律や制度を知らず、お客さまに間違ったルールを強要したりしてしまうリスクがある。先の事例は一見些細な間違った対応に思えるが、特にそれが差別に関わるような場合、一気にことが大きくなる、という象徴的な事例だった。
ユニバーサルイベントの基本は、多様な来場者の価値観や特性を知ること
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