販売開拓の戦略づくりが企業の成長につながる[田中 研二 氏]

インタビュー
本記事は2023年2月28日発行の季刊誌『EventBiz』vol.30で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。

『EventBiz』vol.30|特集② 展示会のプロに聞く! 出展成功のカギ
集客や接客、展示手法、予算、社内体制・教育、計画の立て方、効果測定、展示会の選定、海外出展成功のコツ……など、さまざまな悩みを持つ出展者に向け、展示会のプロに出展のヒントを聞きました。

経営コンサルティングとして活躍する田中氏は、販路開拓の一つの手段として展示会の活用を勧めている。そこで、田中氏の提唱する販路開拓の戦略づくりについて、展示会の活用がどのような位置づけにあり、どのように効果的に利用すべきかを聞いてみた。

Profile
Tanaka Design & Consultants 代表
中小企業診断士
田中 研二 氏

コロナ禍の影響を受けて 変わるビジネスシーン

この2~3年のコロナ禍では資金調達や業容の転換を迫られた中での相談が多かったものの、最近は雰囲気が変わりつつあり、コロナ後を見据えた出口戦略を見出そうとする経営者が多いという。

田中氏は「リモートワークが減少し、人と人が対面する営業スタイルが再開。“売上アップを目指したい”というニーズが急増しています。とはいえ、これまで順調に成長してきた企業もコロナ禍において売れる仕組み、売る仕組みが崩れてしまった。業構造そのものが変化しているケースもあり元に戻るか誰にも分かりません。ですからご相談受けた相談者とは事業戦略を一緒に走りながら考えていくことが必要ですし、私のような役割が求められているんでしょう」と語る。

事業計画の立案のために

経営コンサルタントの業務は伴走型の支援と言われる。相談される企業の特性や強み、弱みを見極めて、どのような事業計画を立てていくか、そのプロセスを大切にしていかなければ相手先は不安を感じてしまう。最終目標である売上増加のための良いサイクルも生まれない。

「事業者の抱える悩みはそれぞれ違いますから、支援する事業者の製品や商品、サービスを分析し、どのように顧客を獲得し、どのように捉えて商品を売っていくか。このビジネスの一連の動線を描きながら導いていくのが経営コンサルタントとしての役割です」(田中氏)。

こうした考えが根底にあるため、展示会やイベントを利用した販促セミナーでのテクニカル講座の内容に対して、田中氏は別のアプローチで支援したいと話した。「仮に私が講演する場合、展示会の出展の仕方というような技術論はなるべく話しません。確かに分かりやすいため、展示会の有効活用方法や名刺獲得後の利用方法などの説明もしますが、それが大事ではなく、最終的にはその企業にとってどのように展示会を活用することが重要なのかを検討し、その結果、企業の成長戦略の描き方にどのように役立ち、展示会をその戦略の一部として落とし込んでいくかに帰結していくんだろうと思います」。

展示会の活用方法

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