暗闇を輝やかせる“光のイベント”の可能性[丸々 もとお 氏]

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本記事は2016年11月30日発行の季刊誌『EventBiz』vol.5で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。

白熱灯や蛍光灯に代わり LED が主流となりつつある現代の照明。発熱が少なく長寿命、そして従来の照明と比較すると省エネを実現した LED は、青色 LED が開発されたことにより、さらに広く普及することとなった。この LED の普及は、夜間イベントにおいても表現の幅を拡げ、イベントの可能性を高めることとなった。“光”は太陽の沈んだ夜間、人々が生活するために必要不可欠なものだが、また一方で演出次第で人々を惹きつける。冬の風物詩として定着したイルミネーションは、プロジェクションマッピングや音楽と共に演出されるなど、その規模も内容も年々、多種多様化している。そこで、“光のイベント”の魅力や可能性について光演出のプロデューサーである ( 一社 ) 夜景観光コンベンション・ビューローの丸々もとお氏に話を聞いた。

夜景がビジネスに

丸々 もとお 氏

近年、“工場夜景”や“星空”で街おこしに成功した事例など、夜景がビジネスとしてなり得ることに注目が集まっている。インバウンドの増加や地方創生などの流れのなか、“光”は夜間観光の資源となり、どこにでも設置することができるイルミネーションは、もはや冬だけでなく一年を通して夜間イベントの主役としてその地位を確立しつつある。

20年以上前から夜景に魅了され、見るだけでなく自ら創る側へと飛び込み、光のイベントのプロデュースはもとより、導入を検討する地域のコンサルティングまで行なう日本で数少ない光演出のプロデューサーとして知られている丸々もとお氏は「その街の夜間の滞留人口を増やすことが目的で、光のイベントはそのための手段のひとつ。手法ありきではなく、その地域にあった表現、必要とされる企画を考えてから、期間や演出方法を決めることが重要だ」と主張するように、どこにでも設置可能なイルミネーションは、その地域、その施設だからこそできる演出が求められている。

日本各地でイルミネーションイベントが開催されている今、「イルミネーションの戦国時代」に突入した、という。街中にきらめく美しいイルミネーションは、今やどこでも目にすることができることから人々に“慣れ”を与えてしまい、特別感を感じにくくなってしまっている。見る人を惹きつけ続けることができなければ次年度の開催はないのだ。

イルミネーション=コミュニケーション

人々を惹きつけ続けるためには、イベントの特性を把握することが重要だ。イルミネーションは一つの会場にたくさんの明りが散りばめられ、共に訪れた家族・友人らと感動を共有しながら散策することで人との絆を深めることのできる“コミュニケーションの場”だと、丸々氏は言う。年齢、性別を問わず誰もが身近な非日常を体験できるコミュニケーションの場であり、立ち止まって注目する映像コンテンツと比較すると滞留時間が長くなる。一般的に滞留時間が長くなるほど印象強く、人々の記憶に深く残る。すると、お土産などの物販販売が伸び、経済効果も高まる傾向にあるという。