デザインの真価を問い続けて[空間演出デザイナー・仁木 洋子 氏]

インタビューARCHIVE
本記事は2019年2月28日発行の季刊誌『EventBiz』vol.14で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。

ディスプレイをデザインすることとは何か。単にパースを描くことがデザインではないという。では、デザインとは何か。この難題の答えを、長年にわたりデザイナーとして活躍し続ける仁木洋子氏に聞いた。ブースデザインから光や空間の演出、ブランディングデザインまで幅広く作品を世に送り出すデザイナーの職業観に迫る。

デザイナーという名の勘違い

海外ではデザイナーの職業的地位は高く、憧れの職業である。その一方、日本のデザイナーの社会的ステータスは欧米に遠く及ばない。この厳然たる事実の裏には、日本企業のデザイナーのあり方が影響を与えている。それというのもブースを手掛ける多くのデザイナーの卵たちは、大学・専門学校を卒業後、就職したディスプレイ企業でデザイン部門に配属されると、デザイナーという肩書きをすぐに与えられてしまう。新人もベテランも肩書きのみは同列になる。

クライアントはデザイナーという肩書の名刺をもらうと、新人をプロだと思って相談するわけだ。しかし実力のないヒヨッコが適切なプロの受け答えをできるはずがない。この現状を怖いと思う。

海外のデザインオフィスで100人くらいのデザイナーが仕事をしていても、デザイナーの名刺を持っているのはその中の1〜2名ということがあり、それほどプロの厳しさがある。ジャンルの垣根を超えたいろいろな仕事をデザインすることが求められ、ちょっとデザインをする人はオペレーターと呼ばれてしまう。国外と日本のデザイナー観の差は大きい。

こうした現状の中、日本のデザイナーの地位向上のためにも、基本的なことをパーフェクトにできるようになってから自らをデザイナーと名乗ってほしい。

デザイナーの仕事とは

よくアーティストとデザイナーの違いは何かと聞かれる。