[Woman’s NEXT]JTBコミュニケーションデザイン・塩谷 久美子 氏

インタビュー
本記事は2022年2月28日発行の季刊誌『EventBiz』vol.26で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。
[Woman's NEXT]

業界で活躍する女性の姿を追う

JTBコミュニケーションデザイン・塩谷 久美子 氏(しおや・くみこ)
Profile|他業界からイベント業界へ転身し、2000年に JTB モチベーションズ入社。2016年4月、グループ再編で JTB コミュニケーションデザイン(JCD)、モチベーションイベント局長就任。2018年よりゼネラルプロデューサー就任(現職)。これまで企業のコミュニケーション課題を数多く解決してきた。その活動は MICE 研修講師や大学観光関連学科での講義など多岐にわたる。趣味はお酒と海外番組の視聴。

イベントによる力をもってして人を、企業を、社会を変えたい

「イベントには人を変え、企業を変え、そして社会を変える力がある」と、塩谷さんは考える。企業のインナーコミュニケーションの活性化を専門としており、JTBグループ入社以来、さまざまな企業と共にイベントを成功に導いてきた。

企業にとってイベントは手段だ。その目的はパフォーマンスの向上、売上アップ、サービスの質の向上、ヒューマンエラーの削減など多岐にわたる。塩谷さんの仕事はその目的を達成するため、最適なイベントを企画することだった。これまでアワードや周年事業など数々の企画を立ててきたが、自分の手掛けた仕事で企業がより良い方向に変わっていくことに無上の喜びを覚えた。

もちろん、イベントを成功させるのは苦労がつきまとう。よく「イベントは生き物」と例えられるが、それゆえに予期せぬトラブルに見舞われたことも一度や二度ではない。けど、失敗が許されない環境下にあって必死に知恵を働かせ、臨機応変に動くことでどうにか乗り越えてきた。そんな日々を繰り返してきたおかげで、今ではちょっとやそっとのことでは動じない。むしろ楽しくさえ思う。イベントが生き物であるということは言い換えれば、ひとつとして同じイベントがなく、あらゆるイベントが替えのきかない重要案件ということだからだ。

企業のベストパートナーとなるべく綿密なコミュニケーションを重ねる

塩谷さんには仕事をする上で常に心掛けていることがある。それはパートナーとしてクライアントに寄り添うということだ。JCD はコミュニケーションを通じて企業の課題を解決する役割を担っており、そのためにはクライアントとも同じチームとして忌憚のない意見を出し合う必要がある。

例えば企業の周年イベントを企画する際、社長は社員の自主性に富んだイベントを期待しているにもかかわらず、社員は社長を喜ばせる内容ばかりに目を向けてしまうことがある。見ている方向がバラバラになればイベントは有効に機能しない。そんな時は軌道修正のため、恐れず進言することも塩谷さんの役割だ。

「クライアントが抱えている課題に対して最適なゴールを置いたら、後はぶれることなく最後まで貫き通すことが大事」と塩谷さんは話す。そのため何度もリマインドを行い、情報共有を重ねる。基本的で地道なコミュニケーションの積み重ねが、イベントを成功に導く最善の手段だからだ。

そしてそんな塩谷さんだからこそ、コロナ禍以降に始まったコミュニケーションのオンライン化には頭を悩ませた。元々空気を読むのは得意な方だったが、画面越しの打ち合わせは勝手が異なる。そしてそれはオンラインイベントが抱える課題でもあった。今はライブ感のあるオンラインイベントを実現するため、効果測定やメリット・デメリットの明確化に注力している。すべては自分たちを信じてくれるクライアントの期待に応えるために。

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