『EventBiz』vol.23|特集① コロナに負けない野外イベント
新型コロナウイルスの流行以来、音楽フェスや食イベントをはじめとするさまざまな野外イベントは、やむなく中止に追いやられてきた。そして今年、野外イベントを求める人々の期待に応えるべく、イベントの復活を発表する主催者が急増している。特集では徹底した感染対策を講じ、中止になった過去の分まで盛り上げようと手を尽くす主催者の姿勢やビジョンを紹介する。
西尾レントオールは、3月13日・14日の2日間、「青空eスポーツ」を埼玉・ところざわサクラタウンで開催した。同社が主催する初のeスポーツイベントで、プロ選手のプレーを観戦できるステージや描いた絵が動き出すデジタルコンテンツ体験などを楽しめるものだ。コロナ禍での開催を終えた所感と今後の事業展開について、イベントの総括責任者の稲葉哲哉氏と秋山賢司氏に聞いた。
[Contents]
イベント業界を盛り上げたい
─eスポーツイベントを主催した背景はどのようなものだったのでしょうか
稲葉 コロナ禍でイベントの自粛が続き、我が社としてもイベント業界を盛り上げる方法を模索していました。そんな中、今回会場となったところざわサクラタウンが、昨年11月にグランドオープンとなり、オープンに合わせてイベントの企画をしていたKADOKAWAと協力し、制作に取り掛かることになりました。KADOKAWA Game Linkageとドワンゴ、長谷川工業と連携し、日本eスポーツ連合と所沢市の後援を受け、感染防止対策を万全に敷き開催する運びとなりました。eスポーツは屋内のイベント会場でしか開催できないというイメージが先行しているため、屋外での展開も可能であることを周知する狙いがありました。また西尾レントオールでは、仮設のステージやテント設営、配信のための機材やモニター、LEDのレンタルも手掛けており、充実したインフラを持っています。最先端のイベントコンテンツであるeスポーツをテーマに、自社のノウハウをどこまで生かせるかの実証も兼ねています。
秋山 ゲームやeスポーツは、小さな子供からお年寄りまで楽しむことができるコンテンツです。しかし、ゲームや選手のファン以外の層がeスポーツに触れる機会が少ない点が課題だと考えていました。そこで会場近くに住んでいる近隣の人たちにも立ち寄ってもらうために、イベントではファミリーで楽しめるプログラムも同時に展開しました。このようにeスポーツファンの裾野を広げる狙いもあり、誰もが親しみやすいイベントにするため、配信コンテンツもスポーツゲームを選んでいます。