[Woman’s NEXT]乃村工藝社・田中 野愛 氏

インタビューARCHIVE
本記事は2021年5月31日発行の季刊誌『EventBiz』vol.23で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。
[Woman's NEXT]

業界で活躍する女性の姿を追う

映像コンテンツなど駆使しゼロから価値を最大化する

「私の夢は、魔法使いになることです」。田中野愛さんは、屈託のない笑顔でそう言った。

大手ディスプレイ企業、乃村工藝社。田中さんはそこのコンテンツ・インテグレーション・センター(CIC)のプロジェクト・マネジメント部で働いている。大学こそ文学部の出だが、かつて建築家を夢見ていたこともあり、どうしても空間デザインの仕事に携わりたい一心から2015年に入社を決めた。

田中 野愛 さん
コンテンツ・インテグレーション・センター プロジェクト・マネジメント部

入社後は数多くの展示会やイベントの仕事を手掛けてきた。乃村工藝社といえば博物館や美術館、エンタメ施設、商業空間のデザイン・内装に秀でているイメージが強いが、ハード面における技術やノウハウだけが乃村工藝社の得意分野ではないと田中さんは話す。

「展示会と聞くと、展示台に製品が陳列されていて、来場者がそれを見たり、触ったりするという光景を思い浮かべがちです。けど、私が得意としているのは、映像コンテンツなどソフトを駆使して、展示品がないゼロの状態からいかに製品価値を最大化するかということなんです」。

例えば田中さんのクライアントである製薬メーカーは、年間15件ほどの展示会に出展している。その際に重きを置いているのが、その製品がなぜ世に生み出されたというバックグラウンドを顧客へと伝えること。その最適解を導き出すためには、ソフト面が鍵となる。

「大切なのは、情報をどう組み立てるかということです。映像コンテンツに限らず、身近なもの、例えばテレビや漫画などから発想を得ることもあるため、常日頃からアンテナは全開にしています」。

コロナ禍の突破口はDX? 新しいイベントの形を提案

転換期は唐突に訪れた。2020年に日本全国を襲った新型コロナウイルスの脅威。乃村工藝社も類にもれず、予定されていたイベントの消失という形で痛手を被った。

田中さんのクライアントからも、展示会や講演会が開催できないため、顧客との接点が持てずにいるという相談がひっきりなしに寄せられた。なんとかしてあげたい。一筋の光明をも見逃さぬよう、打開策を探り続けた。ある時、DX(デジタルトランスフォーメーション)が突破口になるのではないかと考えつく。幸い、ゼロから価値を生み出すのは自分の得意分野だ。やってみよう! 自然とそう思えた。