『EventBiz』vol.29|特集 イベント業界で働く 2023
イベントのV字回復が期待される中、多くの企業の頭を悩ませているのが人手不足の問題です。働き方や働き手の考え方が大きく変わりはじめた今、優秀な人材をイベント会社・業界に確保するためにとるべきアクションを考えます。
備品などのレンタル事業を手掛けるコーユーレンティアは、グループ全体で毎年約20人の新卒採用を行うが、コロナ禍でその選考方法をオンライン中心に切り替えた。これまで実施してきた集団面接やグループディスカッションをやめ、現在は① WEB 説明会・動画選考、②適性診断テスト・エントリーシート提出、③複数回の WEB 個人面接、④対面での最終面接、という流れで進める。今回は人事部の髙安美紗稀氏に近年主流となりつつある動画を用いた選考手法や採用・人事担当者としての考え方について聞いた。
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コロナ禍で変化する選考フロー
─いきなり動画選考からスタートするのですね
当社の場合は適性診断テストやエントリーシート提出よりも先に動画選考を行います。自己 PR を動画というかたちで提出するという内容です。60秒という短い時間とはいえ、何だか難しそうと諦める学生もいるでしょうし、確かに負担は大きいと思いますが、だからこそ、それでも応募してくれる方は当社に対して高い志望度を持ってくれていると考えています。実際に、1次選考通過後の選考辞退の数は少なく、途中辞退率は10%以下です。
表情や声から感じ取れる思いや熱量を大切にしたい一方で、面倒さゆえに辞退されてしまうことは避けたい。そのため収録の方法や撮影のコツ、評価のポイントなども事前に明らかにし、少しでも参加しやすくなるよう工夫しています。
コロナ禍以前はグループディスカッションを実施し、そこで学生同士の協調性や振る舞いを見ることができたのですが、現時点では Zoomなどのツールを用いても、きちんと選考することは難しいだろうと判断し、動画選考を導入しました。もともとはコロナ禍での代替案でしたが、学生側にとっても自分が納得できるものを提出できるという利点もあるため、今後も継続する予定です。