競技施設不足解消に向けて「LCアリーナ」を開発[日本建築構造センター・井口 哲朗 氏]

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本記事は2017年2月28日発行の季刊誌『EventBiz』vol.6で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。

日本建築構造センターは、短工期で低コストながらも、エンターテイメント性や集客力を兼ね備えた「LC アリーナ」と「LCスタジアム」(LC とはローコストの略)を開発した。スポーツをはじめ各種イベントが開催できる施設が求められていることから、さまざまなスポーツ団体や自治体、国体関係者だけでなく、音楽団体やイベント主催者などからも注目を集め、全国から問合せが相次いでいるという。そこで、代表取締役社長の井口哲朗氏に話を伺った。

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この「LC シリーズ」は、同一のフレーム形状によるシンプルな外形を採用することで工期を短縮し、コストの削減を実現した。アリーナとスタジアムどちらにも展開が可能で、常設の建築基準法に準拠しているため恒常的に使用できる。一方、公園などの常設不可な立地では仮設としても対応できるため、汎用性が高い工法であり、さらに標準化された部材を組み立てる手法のためリユースが可能だ。実際に、現在使用中の「LC アリーナ」仕様のイベントスペースは3年後、解体し別の場所で組み立て直しての再利用が検討されている。

“利益を生むことのできるスポーツ施設を創りたい”

開発着手の背景には B リーグの設立があると、井口氏は言う。ホームアリーナには観客席を B1リーグで5,000人、B2リーグで3,000人というアリーナ標準が出されたことをきっかけに、全国のクラブ、自治体から相談が相次いだ。なんとかして従来の数百億円かかるアリーナ建設費を数十億円に抑えられないか、という想いのもと2015年に開発に着手。

プロリーグやクラブ運営経験者をプロジェクトチームに迎え、使う側から見た競技の面でのアリーナ施設の課題を追求した。さらにシステム建築のパイオニアの横河システム建築と提携し、同社の持つ構造建築のノウハウを活かし、LC シリーズの工法を確立した。

この新たな工法の開発には「今までのアリーナはスポーツを“する”ことが中心の体育館であり、利用者が限られて施設の稼働率が上がらず、このままだといつまでも施設不足は解消されない。スポーツはもちろんのこと、エンターテインメントありきで考えた新しい発想の、集客力があり利益を生むことのできるスタジアムを創りたい」という、井口氏の強い想いがある。