スポーツ施設を中心とした賑わいのある街づくりへ ~稼げるスポーツ施設へ転換[梓設計・永廣 正邦 氏]

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本記事は2017年2月28日発行の季刊誌『EventBiz』vol.6で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。

スポーツを観るための施設、そしてそのスポーツ施設を中心に賑わいを創出することが求められていることから、転換が可能な施設として、①収益性、②スポーツツーリズムの拠点、③アスリート強化に特化、④防災拠点、⑤ローコスト、の5つの切り口を提案する梓設計。全国各地のスタジアムやアリーナの設計を行ってきた実績を持ち、そのノウハウを活かしさまざまなニーズにフレキシブルに対応する。そこで今回は、J リーグ規格にも対応する、工期とコストを削減した「組み立て式サッカースタジアム」について、永廣正邦常務執行役員、スポーツ・MICE ドメイン長に話を伺った。

永廣 正邦 氏

国内の多くのスポーツ施設の実績のある梓設計は、世界各地にスポーツスタンドを展開している GL
events 社と提携し、短工期、低価格のスタジアムの提案を昨年あたまに開始した。GL events 社は世界中でさまざまなイベントに向けた総合的なソリューションやサービスを提供しており、仮設・本設ともに対応可能なスタジアムやアリーナを開発、ロンドンオリンピックでは仮設スタンド20万席のうち60%の12万席を提供した実績を持つ。

日本で主流のスタンドは鉄筋コンクリート構造で、しっかりとした本格的な造りのため長期的な利用が可能な反面、工期が長くコストがかかる。一方、海外ではコスト効率がよく工期の短い鉄骨構造が多く採用されており、GL events 社の提案する工法もこの構造である。本設の長期使用も、仮設の短期使用もでき、通常のスタジアム施設と比較して、コストは約50%に削減し、工期は50 ~ 70%程度の短縮を実現した。ヨーロッパでは一般的な工法で、1万2,000席の本設スタジアムの場合、基礎工事込みで3ヶ月程度の工期で竣工することとなる。骨組みとなる部材はユニット化されており、規模に合わせて観客席や屋根を増設したり、リースにも対応する。

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