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新技術活用し「次」のイベント演出探る[HIPS KONAN STUDIO]

インタビュー

本記事は2021年12月15日発行の専門紙『見本市展示会通信』#864で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。

2021年11月30日、ビューティ&ウェルネス専門職大学 (神奈川・横浜市) で 「2022ミス・インターナショナル日本代表選出大会」(主催:国際文化協会)が開催された。同大会は 「2022ミス・インターナショナル世界大会」 に参加する日本代表を選出するもので、コロナ禍で過去2年連続で開催中止となっていた。今回はリアルとオンラインのハイブリッド開催で実施され、配信演出に AR や xR を活用した。その演出をサポートしたヒビノ・日野恵夢氏(ヒビノビジュアルDiv.イベント・コンベンションチーム 係長 / バーチャルプロダクション テクニカルディレクター)とヒビノメディアテクニカル・大川原英樹氏(EC事業部 映像システム1課 技術 係長)に話を聞いた。

最新技術を活用したミスコン

―今回はヒビノとヒビノメディアテクニカルがJV(ジョイントベンチャー)としてサポートした。それぞれの役割分担は

日野 今回の大会では着物審査や水着審査、ドレス審査がありますが、AR演出する際、着物審査は和のテイスト、水着審査は海の中といった比較的わかりやすいコンセプトを目指しました。その中でARやxRをどのように有効活用し、華々しさを演出できるかが僕の仕事でした。

大川原 主にステージ背面の LED ディスプレイの設置・調整やARの合成、配信等を担当しました。実はヒビノビジュアルDiv.とは同じ現場で一緒に仕事をする機会があまりなく、ノウハウを学ぶ良い機会になりました。ヒビノはスポーツやエンタメイベントを手がけることが多いですが、われわれはコンベンションやコーポレート系のイベントが多いです。

―エンタメとビジネスのイベント演出の違いは

大川原 クライアントが重視する点が違います。例えば医療系の学会では、スライドで使用するレントゲン写真の色が黒潰れや白飛びしないようにとか、コーポレート系であればコーポレートカラーや製品の色が正確に再現されているかなど。逆にエンタメはいかに聴衆を惹きつけるかが肝要。映像・音響・照明が同期してひとつのステージを作る点を重視しています。

AR、xRの使いどころ

―演出上の工夫は

日野 特にカメラワークは意識しました。本来であれば退屈になりがちなカメラワークも、効果的に CG を配置することでダイナミックな映像になったり、演出にさまざまな意味を持たせることができます。さらにミスコンの出演者の方々に対しては、事前のリハーサルの段階で映像を見てもらいながら、実際に和のテイストや海の中といった特別な世界にいる認識を持って歩いていただくようお伝えしました。そのように意識することで、映し出す絵が全く変わります。

大川原 せっかく AR や xR 演出を取り入れたので大々的に使いたくなるものですが、やはり主役はあくまでもミスコンの出演者。彼女たちを邪魔しない演出にはこだわりました。動き回るオブジェクトがたくさんあるとそちらに目がいってしまうので、彩りを添える演出に徹しました。

日野 特別な演出だからこそ、ここぞというタイミングで入れるのは大切ですね。演出される方にはよく、舞台特効の銀テープと同じような意識で使ってほしいとお伝えしています。今回はフィナーレの演出のみにxRを使用しました。終始CGの中で進行すると、視聴者はただ合成した映像の番組を見ているのと変わりません。現実世界から xR の世界への導入を見せることでリアルタイム性が強調され、より演出効果が高まります。また逆に、xR の世界から現実世界に戻すことで、実際にその場で起こっていたということを見せる表現も面白いと思います。

これからのイベント演出

―コロナ禍でイベントを実施する上でクライアントのニーズが変わったか

大川原 ニーズが大きく変わったという実感はなく、クライアント側は新型コロナ以前のように戻したいと考えているところが多い。ただ同じように戻すことは、現実的には難しいですよね。以前のような密な環境を避けるのであれば、会場の人数を半分にして、残りは配信で補うハイブリッド形式を採用することが主流になりつつあります。エンタメ系のイベントでは特に、オンラインのみで実施するケースは少ないと思います。AR や xR を活用することで、ある意味、小さな会場を大きく見せることが可能になったので、今後のイベントでも選ばれやすい技術になるでしょう。

日野 大規模なコンサートやイベントでは、xR や AR のような演出は今後、徐々に減っていくのではないかという感覚は持っているのですが、一方で今以上の技術が1、2年後には出てきそうなので、今使っている技術や経験を生かし、その先にある新しい演出手法を模索していきたいですね。

―今後に向けて強化していきたいことは

日野 今年7月に開設した CM や映画、ドラマのバーチャル撮影で活用できるインカメラVFXスタジオ「Hibino VFX Studio」(東京・港区海岸)が事業として軌道に乗りつつあるので、こちらを主軸にしつつも、今までやってきたような AR や xR 演出も手がけていきたいです。

大川原 当社の強みはコーポレート系のイベントなので、例えばオンラインの新製品発表会に xR や AR を活用することで、リアルタイムかつ説得力のあるものになるよう提案をしていきたいと考えています。さらに最近はコンベンション以外に、バーチャルアイドルのコンサートやeスポーツに携わることも増えてきている。エンタメ系のハイブリッドイベントは xR、特に AR との相性が良いため、ビジネスチャンスが拡大するのではと考えています。そういった意味では、最近、ヒビノ本社に開設したスタンダードから xR までのイベント配信が可能となった「HIPS KONAN STUDIO」(東京・港区港南)の存在は大きくなるかもしれませんね。

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