“心の健康”まで支えたい[雪印メグミルク]

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本記事は2018年8月31日発行の季刊誌『EventBiz』vol.12で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。

『EventBiz』vol.12|特集① イベントの力で企業価値を高める
地球環境や社会へより良い影響を与えるため、CSRやサステナビリティといった活動を推し進め、自社の価値向上を図る企業が増えている。自身の成長のため、私たちが内面を磨く努力をするように、企業もまた「私たちのより良い未来のため、必死になって取り組んでいるなんて素敵!」と応援したくなる会社を目指し、自分磨きをしているのだ。そこで本特集では、“企業の価値向上を目指す取り組み”のなかでもイベントを使用した事例を紹介する。イベントの根底にあるコンセプトに焦点を当て、企業の価値向上に、魅力ある企業づくりにつながるヒントをお届けしたい。

食品企業の使命は商品を通じて消費者へ健康を提供することだ。雪印メグミルクは、「雪印メグミルクファミリーミュージカル」を開催することで、体だけでなく“心の健康”まで支える取り組みを行っている。担当者は「学校給食での飲み物と言えば牛乳。もともと当社は子どもたちの健やかな成長に関わる商品を提供していますが、心まで健やかになってほしい一心で始めました」と話す。

3世代にわたる根強いファンも

「雪印メグミルクファミリーミュージカル」はCSR活動の一環として長年開催している子ども向けイベントで、毎年夏に大阪で行ってきた。そして昨年から新たに東京を加え、2都市での開催に展開を広げている。ミュージカルの内容は前後半の2部構成。前半は子どもたちが知っている歌をみんなで歌う参加型のコンサート、そして後半がミュージカル劇となる。ミュージカルはオリジナルのストーリーで“夢、優しい心、友情”をコンセプトにしており、プロの劇団によるパフォーマンスを楽しめる。

来場募集は主に商品キャンペーンと組み合わせて行う。担当者は「応募はすぐ定員になってしまいます。リピーターも当然いて、『今年はいつから募集しますか』という問い合わせも来ます」と話す。大阪では開催歴が長いため「子どものころに見たから、ぜひ自分の子どもにも」という2、3世代で来る根強いファンもいるほどだ。観覧した人たちからの評価は上々で「子どもから大人まで楽しめる内容でよかった」という反応や、雪印メグミルクに対して「取り組み自体がすばらしい」という声も聞こえて来るそうだ。またSNSでも取り組みを拡散してもらえるという思わぬ副産物もある。

従業員の意識を高める効果も

企画はおよそ1年前から、その年のミュージカルが終了してすぐにスタートする。来場者からのアンケートを参考に改良点などを挙げていく。これまでアンケートを基に授乳室の提供や、ベビーカーを利用する来場者のために階段でのサポートなど改善を重ねてきた。その後は会場、日程の設定と進め、6月くらいに運営をサポートする社員約40名の募集をかける。イベントを通じることで、普段接することが少ない消費者と接点を持つことができる。加えて運営スタッフとなる従業員はさまざまな部署から参加するため、社内コミュニケーションや一体感の醸成にも一役買っている。

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