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[連載]なぜユニバーサルイベントが必要か。イベントは社会の変容と共に[ユニバーサルイベント協会・内山 早苗 氏(寄稿)]

寄稿ARCHIVE
本記事は2015年11月30日発行の季刊誌『EventBiz』vol.1で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。

まちを歩く二人に一人は特性を持つ

2016年4月に「障害者差別解消法」が施行されるのをご存じだろうか。今年の10月1日から文部科学省にスポーツ庁が併設され、いままで別々に行なわれていたオリンピック、パラリンピックを同等のステージで行なう土壌が確実になった。同じく10月7日には、安倍内閣が新たな方針として「一億総活躍社会」実現に向けてスタートを切った。国際的にみても、国内の事情からも、社会のありようが大きく変化していることは顕著である。2015年9月では65歳以上の人口が3,384万人で人口の26.7%。障害者手帳を持っている人は約741万人で約6%、色覚に特性のある人は約320万人、LGBT層の人の出現率は7.6%、13人に1人。さらに海外からの来訪者は2015年1月~9月ですでに約1,450万人。かなり乱暴な言い方ではあるが、まちを歩く二人に一人は何らかの特性をもった人たちということになる。

高齢者、障がい者の人口は厚生労働省、色覚特性はNPO法人カラーユニバーサルデザイン機構、LGBTは電通ダイバーシティ・ラボ「LGBT 調査2015」、海外からの来訪者は日本政府観光局2015年1 ~ 9月合計による。

ノーマライゼーションの推進

働ける人の人口(生産年齢15歳~64歳)はいまや減少の一途をたどり、高年齢者はその数をしのぐ勢い。国のさまざまな法改正、制度改正は女性も障がい者も高年齢者も、もっとちゃんと働いて年金、税金を払って国の財政を助けてください、というのが本音ではないのだろうか。2013年施行の「改正高年齢者雇用安定法」で企業は65歳まで定年の延長を義務化され、同じく同年施行の「改正障害者雇用促進法」では、雇用率が2.0%にアップされ、2016年4月には「障害者差別解消法」「女性の活躍推進法」が施行される。それぞれの不便さや状況はあるだろうから、国も精一杯支援するのでみんなで国を支えましょう、と否応なく、ノーマライゼーション(誰もが当たり前に参加できる社会環境)が推進されてきている。

多様な来場者に対応したイベントが必要

当然、イベントのあり方も変わってくる。来場者はかつてのように元気で若い人ばかりではない。高年齢者は時間もお金もあり好奇心も旺盛な人が多い。同様に障がいのある人も今やどこにでも一人で行ける環境がある、もっと便利なもっと楽しいものを、と探究心は旺盛だ。妊婦だろうと乳幼児連れだろうと、外出をちゅうちょしない。さらにはインバウンドで2,000万人が実現しそうな外国人観光客の増加。文化や価値観の違い、言語の違い、身体的状況の違いのある人があふれている。こうした多様な来場者へのサービスや満足度を高めないと、イベントの現場はクレームの嵐になりかねない。情報手段が飛躍的に豊富になっているいま、クレームはあっという間に世界に広がる。ほんの少しの配慮不足と思っても、当人からすればそれはあり得ない対応だったりする。

参加するすべての人が快適に十分にコミュニケーションをとれるユニバーサルイベントへの配慮の有無は、極端に言えばその企業の社会的立場を大きく変える要素になりうるのが現状だ。多くの多様な来場者の特性を知り、さまざまな方法でユニバーサルイベントへの配慮をすることが、もはや当たり前になってきている。むしろリスクマネジメントとしても最大の留意点といえるのではないか。実際にユニバーサルイベントへの配慮は、それほど難しいことではない。多様な人の特性を知り、何をどう配慮すればよいのか学び、企画構想の段階から計画すれば、特別に費用が高くなるわけでもない。いまはさまざまなソリューションが楽にユニバーサルイベントづくりを支えてくれる。ぜひ、世界に誇れる本物の「おもてなし」が提供できるイベントづくりのために、ユニバーサルイベントについて学び実施してほしいと願っている。

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