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持続可能な社会を地域と共に目指す施設として[東京たま未来メッセ・松浦 一 氏]

インタビュー
本記事は2023年8月31日発行の季刊誌『EventBiz』vol.32で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。

昨年10月にオープンした「東京たま未来メッセ」。環境に配慮し、SDGs に貢献する施設であるための機能を各所に備えている。同施設の副センター長・松浦一氏に、SDGs の視点から見る施設の特徴と運営する際の取組みを聞いた。

地域と連携し地域の自然を活かす

松浦 一 氏|東京たま未来メッセ 副センター長

── SDGs を意識して作られた箇所や設備は

まず、外観的にも大きな特徴となっている、石を積んで作られたドレインウォールがあります。施設の周りに5か所設置しており、雨水を地下に誘導し、濾過してトイレなどの水として再利用します。数年後には石の表面に苔が生えて、景観にも彩りを与えてくれるほか、施設内の熱を逃してくれる効果も期待されています。屋上には太陽光発電パネルがあり、施設の消費電力の一部を太陽光発電で補っており、会議室や展示場の照明で使用しています。エントランスのデジタルサイネージで、毎日の発電量も発信しています。

また、地域熱供給(DHC)のシステムが開業時から稼働しています。隣接する八王子市まちづくり公社のプラントで温水と冷水を作り出し、パイプを通して館内の空調に使用するシステムです。DHC の設備を持つ地域の建物は当施設が3棟目であり、導入施設が多ければ多いほど、地区全体での CO 2 排出量が減少します。今後は周辺の旭町や明神町の再開発が進むにつれて、より地域で普及していくのではないでしょうか。

地域の人々の憩いの場として親しまれている「せせらぎ広場」には、大きな水盤があり、水道水ではなく近所の子安神社から自然の湧水を引いています。八王子は織物の街であり、染色の過程で水を多く使います。湧水は織物工業の発展に寄与してきました。当施設が立っているこの場所は、以前は東京府立染織試験場の跡地でもありました。せせらぎ広場の湧水は周辺を涼しくする効果もありますが、地域性を象徴する場所でもあり、歴史と文化を伝えています。

国内ではすでに最低限のインフラとして多くの会場が対応をしていますが、当施設も館内の各所にユニバーサルデザインを採用されています。トイレ内の照明は自動で点灯し、エレベーターには音声案内が流れ、駐車場にも身障者スペースがあります。引き続き、誰でも快適に使える施設として、アップデートを重ねていきます。

──施設運営にあたり SDGs に取組んでいることは

施設管理のチームと貸館のチームで連携し、無駄なエネルギーを消費しないようにしています。会議室や展示室の利用が予定より早く終了した場合、すぐに貸館のチームから施設管理のチームに連絡し、照明や空調をOFF にします。ごく当たり前のことかもしれませんが、施設運営では小さなアクションの積み重ねこそが重要だと考えています。

近隣の小学校から施設内のユニバーサルデザインを見学したいという問い合わせがあり、見学会を行った事例もあります。施設見学や自主事業のイベントのタイミングに合わせて、次世代が SDGs について学べるプログラムの実施も視野に入れています。

──今後の展望は

近隣地域外への情報発信を強化していきます。現在、利用者の割合の多くを、八王子を中心とした周辺地域の方が占めています。東京都の施設として、多摩地域全体からの利用を目指し、この「東京たま未来メッセ」を知っていただけるような事業に取組んでいきたいです。今年7月に開催した「東京たま未来メッセフェスタ」では、地域の方々も登場するステージイベントのほか、多摩地域の各所から農産物や民芸品などの出店者が集まりました。これをきっかけに異なる地域のマルシェが繋がったり、多摩地域間のネットワークをつなぐきっかけとなったりすれば嬉しいです。

また、企業による利用や BtoB イベントなど、産業振興に資する催事の誘致が課題となっています。当施設の利用は、ファミリー層向けのイベントや地域の集会が比較的多いのですが、ビジネスイベントの割合も引き上げ、両輪で会場を運営するのが理想です。東京たま未来メッセのミッションとして「産官学連携の促進」「中小企業の支援」が掲げられています。今後、各企業は新たな開発や事業展開で、SDGs の観点は必須となるでしょう。当施設では、研究発表の会場としてだけではなく、自治体や地域の事業者とも連携しイベントを主催することでも、成果発表の機会を提供していきたいと考えています。豊かな街づくりは我々施設運営に携わる者としての使命でもあり、企業にとっても、多摩地域で暮らす人々にとっても、使い心地の良い施設であり続けたいですね。

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