日本のドーム球場の代名詞とも言える東京ドーム。プロ野球の試合をはじめ、コンサートやイベントなど、その用途・目的は多岐にわたる。1988年の設立以来、多くの夢と感動を人々に与え続けてきたが、その裏側には常に最先端を取り入れ、あらゆる可能性を模索する、多目的スタジアムの“パイオニア”としての矜持があった。
あらゆるイベントのため、ウェザーリスクを完全に排除
東京ドームは1988年3月17日、前身である後楽園球場が抱えていたウェザーリスクを解消しあらゆるイベントに対応することを目的に、日本初の全天候型多目的スタジアムとして約350億円を投じて設立された。当時プロ野球で本拠地としていた読売巨人軍や日本ハムファイターズにとってスケジューリングが容易になることはもちろん、売店などスタジアム内で働くものにとっても、売り上げが安定するという大きな利点となった。
未知数のポテンシャルを秘めた東京ドーム
その後、2004年に日本ハムファイターズは本拠地を札幌ドームに移すも、依然として東京ドームで試合を主催しており、読売巨人軍の存在感も相まって東京ドーム=プロ野球会場という認識は今なお強い。近年ではコンサートの開催件数も急増しており、名実ともに多目的スタジアムの役割を果たしている。
しかし、東京ドームにはいまだ秘められたポテンシャルが眠っている。国際サッカー連盟(FIFA)の推奨グラウンドに認定されていた時代には、レアル・マドリードや FC バルセロナが使用した実績があり、ほかにもアメリカンフットボール、スノーボード国際大会、格闘技、モトクロスなど数々のスポーツ競技を開催している。
㈱東京ドーム興行企画部エンタテインメントグループの若林聡氏は「東京ドームはまだまだ多くのスポーツに対応することが可能です。試合以外でも、例えばラグビーなどは練習施設として活用していただいています。2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されるので、ぜひこの機会に色々な競技を試していただきたいです」と、東京ドームが持つ可能性の大きさを語る。