コロナ禍でパーティはどうなる? 沖縄MICEが提案する新時代のインセンティブ旅行

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本記事は2020年11月30日発行の季刊誌『EventBiz』vol.21で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。

成績優秀な社員を招いた表彰式や自社内の課題解決を目的とした研修などを旅先の特別な場所で実施するインセンティブ旅行。新型コロナウイルスの感染拡大による渡航制限は、個人観光のみならず、企業旅行へも多大な影響を及ぼした。非日常を味わえる特別感やFace to Faceによって生まれる発想はオンラインイベントでは実現しづらく、企業は社員の意識向上につながるインセンティブ旅行の在り方を模 索する。そのようななか、国内でありながら非日常を体験できるリゾート地・沖縄が、海外に負けないディスティネーションとして魅力的なMICEを提案する。

どうなるパーティー? どうするチームビルディング?

施設の魅力と新型コロナウイルス対策をチェック!

2021年10月、沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は新たなインセンティブ旅行先としての沖縄をPRするため、インセンティブ旅行を手がける10社11名を招聘しFAMツアーを実施した。ツアーの模様をレポートするとともに、「感染症対策って実際どうなの?」「いざ開催するなら何をすべき?」というツアー担当者の悩みを解決する、ニューノーマルなインセンティブ旅行の在り方を紹介する。

ホテル コレクティブ

ラグジュアリーホテルとして今年4月、国際通り沿いに開業した。480㎡の大宴会場には前方に300インチのLEDディスプレイ、後方に200インチのマルチディスプレイを配置。左右にもスクリーンが8面あり全方向から見える仕様に。客室は全室30㎡以上で60インチ以上の液晶テレビやレインシャワー付き。コロナ禍における制限下での最大収容人数は立食144人、円卓114人、スクール100人、シアター175人(通常時は立食350人、円卓300人、スクール324人、シアター476人)。

沖縄かりゆし アーバンリゾート・ナハ

698㎡の大宴会場「ニライカナイ」には6mmピッチ、360インチのLEDディスプレイが設置されているほか、378㎡の「シェルホール」には3,500㏐のプロジェクターを保有する。部屋数は全269室。2021年は400人規模の、2022年には800人規模のMICE開催に関する問い合わせが来ている。制限下での最大収容人数は立食400人、円卓300人、スクール144人、シアター543人(通常時は立食800人、円卓400人、スクール480人、シアター810人)。

ロワジールホテル那覇

自動車・製薬・医療・金融・流通業界のMICE開催実績や県市町村主催の大会実施がある。食事は、宗教・アレルギー&咀嚼などのダイバーシティに対応。食事ではサーマルカメラ・手指消毒液・抗菌アロマ手拭と手袋も用意するほか、接触感染予防の為抗菌お箸、抗菌マスクケースを提供する取り組みを実施している。制限下での最大収容人数は立食465人、円卓400人、スクール300人、シアター800人(通常時は立食930人、円卓700人、スクール600人、シアター1300人)。

ザ・ブセナテラス

オープンエアーのロビーは24時間換気されている。企業の周年イベントで全館貸し切りの実績を持つ。貸し切りの場合は600~800人が宿泊可能。企業イベントで宿泊した後家族で来るリピーターも多い。全410室のうち18室はプール付きのコテージとなっている。隣接している万国津梁館へのケータリングにも対応。制限下での最大収容人数は円卓100人。

万国津梁館

2000年の九州・沖縄サミットの会場として利用された。三方が海に囲まれ全会場が外気を取り入れやすいオープンエアーの施設構造を活かし常時換気を行っている。ガーデンエリアをはじめ屋外空間が豊富でガーデンパーティー、打上げ花火など三密回避の演出が可能。ガーデンエリアは200人から100人に収容人数を制限。制限下での最大収容人数は立食198人、円卓144人、スクール168人、シアター250人(通常時は立食350人、円卓250人、スクール294人、シアター500人)。

ブセナ海中公園 海中展望塔

24の窓が付いた海中を覗ける展望塔。通常24人を収容できるが、現在は感染拡大防止のため10人に制限。万国津梁館やザ・ブセナテラスでMICEを開催する場合、3~4カ月前に事前申請すれば桟橋から花火を打ち上げることも可能。

基本的な対策は全ホテル・会場が実施。違いは細かな点に
検温機の設置や換気、手の消毒、使用機材の消毒、ソーシャルディスタンスの確保と収容人数の制限など、基本的な対策はいずれの施設でも実施している。なかでも目立ったのは独自の45項目のガイドラインを設定した沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハ。宴会営業部の知念慎二チーフマネージャーは「ホテル業界の基準となるようなガイドラインを作るべきと考えた」と話す。下膳と配膳業務を分け、その都度アルコール消毒するという、細かなルールを決めたほか、講演や会議の直前まで、受付や会場のスライドに感染予防対策のピクトグラムを表示することで、来場者の意識を高める工夫をしていた。食事形式は立食やビュッフェを取りやめ着席形式にしている施設が多くあった。消毒方法や換気状態、制限下での収容人数といった細かな対策は施設により異なるため、確認が必要だ。


ビオスの丘

チームビルディングの前は園内を散策するなど、沖縄ならではの自然を感じることができる。45人が乗ることができるクルーズは新型コロナウイルス感染防止対策で、現在1隻の定員を約半数に制限。チームビルディングの優勝チームにはスペシャルプログラムが用意されている。

那覇まちま~い

有名どころから裏道まで、ガイド付きで那覇のまちを巡るツアー。場所や時間はさまざまなタイプがあり、長いものでは100分ほど散策することができる。団体の場合は約10人のグループで回る。リクエストによりアルコールティッシュを配布。

チームビルディングなどの体験コンテンツは屋外で行い「密」を回避
チームビルディングを開催した「ビオスの丘」は亜熱帯の植物が生い茂る自然豊かな屋外テーマパークだ。ツアー参加者はジャングルクルーズでスタッフによる亜熱帯の植物やパークの解説を聞いた後、その解説がヒントとなるクイズに挑戦。2人ペア×3組の6人チームが、答えを求めて森を散策した。答えとなる3つのワードを組み合わせて正解を導き出し、さらに6人対6人での大縄跳びで競い合った。その後、土産作りをした後にチームの得点が発表され、優勝チームはスペシャルプログラムを体験した。また一行は街歩きプログラム「那覇まちま~い」に参加。ガイドの解説のもと、復興中の首里城を見学するプラン「首里城物語」を体験した。


ガンガラーの谷

昨年は40件のMICEが開催されるなどユニークべニューとして多くの利用実績を持つ。食事は現在ビュッフェ形式を自粛し、フルコースまたは事前に用意されたボックスタイプで提供。会場となる「ケイブカフェ」は、周辺の夜の森を散策した後に入場できるプランもある。制限下での最大収容人数は円卓80人、シアター200人(通常時は立食180人、シアター350人)。

百年古家 大家

築100年以上の琉球古民家を利用したユニークべニュー。夕食は幻想的なライトアップ空間でのビュッフェ、昼食は着座でのゆし豆腐やあぐー料理の琉球御膳が人気。生命保険会社や製薬会社、自動車メーカー等のパーティー会場としての使用実績あり。自社ワイナリーを活用したMICEコンテンツ企画も検討中。制限下での最大収容人数は立食100~150人、着席80~100人(通常時は立食200人、着席150人)

※旅行会社/オーガナイザーとのコロナ対策により収容人数確定

パーティーは乾杯なし。立食から着席へ
太古の鍾乳洞という国内有数のユニークベニュー「ガンガラーの谷」では、現在立食パーティーやビュッフェを自粛にしている。着席形式で行われたレセプションでは、乾杯は行わず、マスクをはずした状態での会話を原則禁止としていた。サーブする際の感染を防ぐため、食事はあらかじめ全てボックスタイプで提供され、テーブルには食事中のマスクを入れるケースも用意されていた。沖縄の古民家を使ったユニークベニュー「大家(うふやー)」も立食を行わず着席形式に転換。こちらも訪問時に全て食事のセッティングがされていた。


福州園

1992年に開園した中国式庭園。休園日は9時から21時まで、それ以外は閉園後の18時から21時の間をユニークべニューとして利用可能で、MICE利用の場合1~2年前から予約を受け付けている。酒造メーカーのイベントやVIPを招いた企業イベントの実績がある。2021年4月~2022年3月まで改修工事のため閉園。制限下での最大収容人数は立食50人(通常時は立食150人)。

浮島ガーデン

地産地消の雑穀を使ったヴィーガン料理を提供する。ハラルやコーシャのほかアレルギー、グルテンフリーなど様々なフードダイバーシティに対応。またSDGsの17の目標のうち、ヴィーガン食による6つの目標達成を目指す。最大50人を収容できる店内は、現在25人に制限している。14日前までの注文で弁当は最大100人に対応、ケータリングは最大50人に対応。

食事はお弁当という選択肢も
アフターMICEの提案としてパーティーが行われたのは那覇市にある中国式庭園「福州園」。会場ではドリンクのみが提供された。参加者はゲストによるコンサートを鑑賞した後、動物性食材を使用しないヴィーガン食を提供する「浮島ガーデン」の地産地消の沖縄の素材を活かした弁当を受け取り各自ホテルで食事を取った。今回はテイクアウトでの食事となったが、福州国ではパーティー料理としてその場で提供のほか、ドリンクブースを設置しアルコール提供も可能。食器はリユースできる素材に変更することで環境に配慮したパーティーも演出できる。