『EventBiz』vol.28|特集① 大阪・関西万博に備えよ!
大阪・関西万博の開催まで残すところ1,000日を切った。東京五輪に続く日本経済発展の起爆剤として期待されている大阪・関西万博だが、その準備は既に本格化し企業は2025年を視野にさまざまな取組みを開始している。本特集では大阪・関西万博に向けた国や企業の最新動向を追った。
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ドバイ万博で日本館をデジタルシフト
渡邉 ワントゥーテンは2021年10月1日から2022年3月31日までアラブ首長国連邦で開催されたドバイ国際博覧会(ドバイ万博)で日本館デジタルシフト施策を担当しました。ドバイ万博はコロナ禍で1年延期され、なかなか現地に訪れることが難しい状況下での開催で、デジタル技術の活用に注目が集まっていました。
澤邊 万博の仕事を受注するのは初めてでしたが、以前に2018年平昌五輪のジャパンハウスなどを手掛けた経験が評価されたのだと思います。
渡邉 ドバイ万博の日本館は Scene1~6で構成されていて、Scene 6は次回の大阪・関西万博に向けて社会課題解決のメッセージを発信するコーナーになっていました。そこでバーチャル日本館の1つでありワントゥーテンが企画・制作を行ったオンラインプラットフォーム「循環JUNKAN -Where ideas meet-」と連動させ、リアルとバーチャルの両方で課題を共有することにしたのです。最終的には約1万6,000のデータを得ており、このデータは現在大阪・関西万博の準備を進める2025年日本国際博覧会協会に提供しています。
澤邊 Scene 6に至るまでの映像演出や仕掛けづくりにも協力しました。日本館では入口で貸与される観覧専用のスマホにより来場者の属性を定義し、それにより展開が変化するという演出が行われていたのですが、さまざまなクリエイティブチームが関わる中で全体のバランスを調整しつつ Scene 6まで一気通貫の体験を作り上げるのは大変でした。最終的には3月末の最終日まで安定稼働し、展示デザイン部門で金賞を受賞できたのは喜ばしい限りです。
バーチャルとリアルが影響し合うデジタルツイン
澤邊 ドバイ万博はコロナ禍での開催であり、やりたくてもできないことがいくつもありましたし、頑張って作ったものを日本人にあまり見てもらえなかったという悔しさもあります。その思いを大阪・関西万博に引き継いでいきたいです。
渡邉 選手が主役の五輪と違い、万博ではクリエイターにスポットライトが当たります。世界各国から VIPも訪れますので、ワントゥーテンのクリエイティブ力を示す絶好の機会になるでしょう。ワントゥーテンではデザインチームが外部とも連携し、大阪・関西万博に向けたシステム設計に乗り出しています。世界に誇るメタバース万博を実現し、本当の意味で世界中の人が参加することで、日本のプレゼンス向上につなげていけると思います。