アーティストの求める音をつくるモニターエンジニア[クレア・ジャパン・竹田 安範 氏]

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本記事は2017年5月29日発行の季刊誌『EventBiz』vol.7で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。

モニターオペレーターはアーティストに最も近い存在

竹田 安範 氏

もともと僕は音楽が好きで、バンドを組んだりしていたのですが、その中でPA という仕事があることを知って働きたいと思ったのがきっかけでした。PA の仕事はハウスやモニター、システムなどに分かれていますが、基本的にアーティストに専属で PA がついて、全国ツアーを回ります。

PA とアーティストは長く一緒に仕事をすることが多く、僕がモニターエンジニアとして長く担当しているのはスピッツですね。10年くらいかな。モニターの仕事は、観客ではなく演奏するアーティストが聴く音を PAすることなのですが、いかに本人たちが求める音に近づけられるかが重要で、ものすごく神経を使います。まず曲を理解するところから始まり、コミュニケーションを取っていきます。アーティストによっては飲みの席で本音を聞けたりすることもありますね。

機材もデジタル化が進みどんどん便利になっていて、コンパクトになっています。今やミキシング・コンソールはほぼ皆デジタルを使います。最初はとっつきにくさもあったのですが、慣れてしまうと便利さが全然違います。モニターする上でも、昔はアーティストの足元にモニタースピーカーを設置して音を返すのが主流だったので、決まった場所で演奏しない、ステージ上で動き回るアーティストのためには色んなところにスピーカーを置くことで対応していました。しかし最近ではワイヤレスのイヤーモニターを使用することが増え、電波さえ届けばどこにでも同じ音が返せるため、大きな会場でも小さな会場でも同じように仕事ができるようになりましたね。

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