『EventBiz』vol.23|特集① コロナに負けない野外イベント
新型コロナウイルスの流行以来、音楽フェスや食イベントをはじめとするさまざまな野外イベントは、やむなく中止に追いやられてきた。そして今年、野外イベントを求める人々の期待に応えるべく、イベントの復活を発表する主催者が急増している。特集では徹底した感染対策を講じ、中止になった過去の分まで盛り上げようと手を尽くす主催者の姿勢やビジョンを紹介する。
シティライフNEWは「ロハスフェスタ万博」を6月11日から13日までと6月18日から20日まで、大阪・万博記念公園で開催する。元々GWに開催を予定していたが、緊急事態宣言の影響で延期しての開催となった。昨年は全国で7回の開催を予定していたがその内6回を中止。1回のみ、万全の感染対策を施した上で開催に漕ぎつけた。出展者や来場者に元気を届けたいという思いから今回も開催に向けて準備を進めている。そこでイベントを運営するシティライフNEWイベント事業部の池谷祐紀氏に開催にかける思いを聞いた。
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ロハスフェスタとは
毎回、環境にやさしい素材を使った雑貨や、健康に配慮したグルメが緑の豊かな会場に集まるロハスフェスタ。参加することで“ロハス※ ”の考え方にふれられるイベントとして、2006年に大阪・万博記念公園でスタートした。会場内には使用済みの天ぷら油や牛乳パック、ダウンジャケットなどを回収するリサイクルコーナーを設置しており、回収した資源は次のイベントに生かされている。例えば、てんぷら油は発電機を動かすバイオディーゼル燃料に、牛乳パックはトイレに設置するトイレットペーパーに作り替え、再利用する。飲食ブースでは使い捨ての容器を使用せず、全てマイ食器・マイカトラリー・マイボトルで提供しており、日常生活から環境の保護に取り組めることを PR している。
またロハスは環境と健康のサステナビリティ(持続性)を重視する生活スタイルを表しており、その内容は「SDGs」にも含まれるため、イベント内では SDGs を推奨。SDGs の17の目標のうち、12番「つくる責任つかう責任」に対しては、多くの出展者がリサイクルやアップサイクル(新価値の付与)のモノづくりを行っている。主催者も会場内で使用したテント布を再利用したマイバッグづくりを行っているほか、マイ食器持参の呼びかけやリサイクルコーナーでの資源回収を行っており、これらは13番「気候変動に具体的な対策を」、14番「海の豊かさを守ろう」、15番「陸の豊かさも守ろう」に繋がっている。会場内のクイズラリーや子供向けのエコツアーも行い、イベント参加者の SDGs の理解を深めるなど、目標達成に向けて働きかけている。
※ロハス(LOHAS):「Lifestyles of Health and Sustainability」の略語。健康と環境の持続可能性に配慮した生活スタイルのこと
続く逆境の中でもイベントを楽しんでほしい
2020年のロハスフェスタは、万博記念公園のみでの開催となったものの、自治体と協力をしながらガイドラインを作成し、定められた条件の中でも参加者が最大限楽しめるようイベントを構成した。従来とは異なり、屋外会場の密になりにくいというメリットを生かしたリアルでの開催に加え、会場の様子をオンラインで生配信するハイブリット形式で開催。生配信では、ステージ中継、会場の生リポート、参加型のダンス企画など新しいチャレンジを行った。また、急激に減ってしまった出展者と来場者が触れ合う機会を作ることを目的に、EC モールも展開した。