イベントプロデュース事業を行うグローバルプロデュースは3月30日、これからの時代に必要な“PRODUCE 力”を考えるイベント「PRODUCERS 2022」を開催した。東京・渋谷にある WITH HARAJUKU HALL でのリアル参加は50人限定となっており、ステージの模様はオンラインでも配信された。当日はレトロ感が漂うステージに音響・照明・映像演出が加わり、否応なしに参加者の気分を盛り上げ「一体何が始まるんだろう」というワクワク感を演出した。
Talk Session ❶「これからの時代に必要な”PRODUCE 力 ” とは?」
[1] 裏千家茶道 松村氏/Zoom 佐賀氏/ Global Produce 光畑氏
Talk Session ❶では「あなたにとってプロデュースとは」という共通のテーマに対し、各々の立場からスピーカーが持論を展開。松村宗亮氏は千利休こそが自身にとって元祖プロデューサーであるとして、その心は新しいものや美しいもので客を喜ばせることにあるとした。佐賀文宣氏は、技術とはそのままでは価値がないと主張。誰でも使えるよう、その垣根を下げることこそが自分のプロデュースであると語った。本イベントの主催でもある光畑真樹氏は「誰かが動かないとまとまらない」として、全体を「こんな感じ」とまとめられる人がプロデューサーだと述べた。
[2] カラーズクリエーション 石多氏/Voicy 緒方氏
石多未知行氏は「本質を捉え価値を最大化させること」と回答。自分がやりたいと思ったことを良いものにするため、モチベーションを上げていくことが重要だとした。緒方氏は世の中のニーズと自分たちができることを組み合わせて価値を提供することが自身にとってのプロデュースだとして、「自分のやっていることに対して世の中がついてこないのであれば、それはニーズがないということ」と話した。
[3] The Human Miracle 小橋氏/トランジットジェネラルオフィス 中村氏
小橋氏はプロデュースとはさまざまなものをインプットし、アウトプットすることで人の人生を輝かせることだと持論を展開。日本人は他人に合わせがちだが、もっと自分の人生をクリエイトしてほしいと訴えた。中村氏はプロデューサーとは自分以上に優秀な才能を巻き込み、モチベーションを与えることのできる人だと主張。良いものは惜しまずどんどん出すべきだとした。
Talk Session ❷「PRODUCER に聞きたい 100 の質問」(ファシリテーター:PIVOT 佐々木氏)
[1] 佐賀氏/緒方氏
─人の「飽き」「慣れ」についてどう考えるか
緒方 人は絶対に飽きるもの。クリエイティブとは次に求められることを考えることだ。
─コロナ禍を経てコミュニケーションは変化したが、リアルはどうなる
佐賀 どうでもいいコミュニケーションはどんどんオンラインになる。リアルは本当に会いたい人のためのプレミアムになるだろう。
[2] 中村氏/松村氏
─今の仕事を選んだきっかけは
松村 海外を旅していた頃に外国人に日本のことを聞かれ何も答えられなかった。それで華道や習字、茶道などに手を出したら面白かった。
─尊敬するプロデューサーは
中村 自分にできないことをできる人、自分の知らないことを知っている人。そういった人はたくさんいる。
[3] 小橋氏/石多氏/光畑氏
─プロデュースのためのルーティンや秘訣は
光畑 ノートに何枚も書き、見直すこと。
石多 パズルのようにいじくりながら、余計なものを取り除いて糸口を探す。
─入社1年目から社会人として活躍するにはどうしたらいい
小橋 みんなに喜ばれるのではなく、違和感のある存在になること。そのための突破力が大事。
PRODUCER 対談
光畑 天才じゃない人間がヒットを生むコツって何でしょう?
つんく♂ プロデューサーに必要な6つのものは「イマジネーション」、「判断力」、「適応能力」、「指示力」、「カリスマ力」、「バランス力」です。そして、最終的に一番必要なものは人間としての「バランス力」だと思っています。クリエイティブ能力だけ突き抜けていても社交性がなければ続かない。あんまり必要ないものは「こだわり」、「プライド」、「ロジカル」、「過去事例」、「がんこ」です。
光畑 アフターコロナで求められる能力は何だと思いますか
つんく♂ 企画書を書く力です。声を普通に使っていた頃はトークでその場を納得させることもできましたが、声を失ってそれができなくなりました。今はこうやってテキストにまとめていますが、その分的確に言いたいことを伝えられていると思います。トークするにしてもゆっくり話していいし、伝えたいことは前もってテキスト化しておくことをお勧めします。それはきっと愛の告白も同じで、行き当たりばったりでなんとかなるとは考えない方がいいです。