本記事は2015年11月30日発行の季刊誌『EventBiz』vol.1で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。
常に模索する日々から生まれるもの
会場設営や営業企画を任されていた20代で楽しかった記憶と言えば、お客さまから「一緒に考えてくれないか」と相談を受け、共に企画を練り、それを実現できた喜びでしょうか。当時、お客さまからいただく仕事はどれもありがたく、目の前の仕事にとにかく一所懸命でした。そうなると何とか相手の力になりたいという気持ちが強くなりました。毎日のように追い込まれては乗り越えることを繰り返す状況を続けていく中で、このイベントを盛り上げるためにはどうしたら良いのか、お客さまの伝えたいことを実現するためにはどうしたら良いのかを常に模索し続けました。
その結果、手段としてのイベントにも必要以上のこだわりを持つことがなくなり、フラットな視点でお客さまの課題や社会のことを考えるようになりました。サステナブルな発想はこの時に培ったのだと今になって気づかされます。
理想は日常と非日常のシームレス化
次第にイベントの持つ社会的な力に興味が移り、サステナビリティやレガシーについて、国内外の関係者に聞いてまわりました。そして、ロンドンオリンピックや海外のイベントを見て気付いたことは、もはやイベントをイベント単体で終わらせる時代ではないということです。
私たちの周辺には、大小さまざまなイベントが常に生活の一部として存在しています。大勢の人を集めて行なうイベントだけでなく、クリスマスや正月のような年中行事もあれば、結婚式やお葬式などの人生の節目となるものもあります。イベントは人の心に区切りをつけ、次へと進んでいく活力として機能しています。ライフスタイルに組み込まれることによって、日常と非日常がシームレスに繋がることで、イベントが一過性の取り組みで終わらず、生活や社会を豊かにしていくことができると考えています。
***この記事は季刊誌『EventBiz』定期購読者限定記事です。定期購読のご契約者様は会員登録(追加料金無料)後、最後までお読みいただけます。