空間づくりのDXをどう進め、先駆となるか[丹青社・鈴木 朗裕 氏]

インタビューARCHIVE
本記事は2020年11月30日発行の季刊誌『EventBiz』vol.21で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。

『EventBiz』vol.21|特集 2021年イベントトレンド予測
新型コロナウイルスの影響から、2020年の春先から早急な変容を求められたMICE業界。現在も感染防止のケアだけでなく、代替案となるオンラインやハイブリッドといった新様式への対応が進んでいる。さらにデジタル・トランスフォーメーション(DX)やニューノーマル体験、SDGsなど、主催者は日々様変わりする社会情勢に対応した変化が求められる。そこで今回は2021年、イベントを開催するうえで押さえておきたいトレンドを紹介。変化に素早く対応した企業事例や、まだイベント業界に浸透しきれていないものの、今後注目が高まるコンテンツを紹介する。

あらゆる分野の企業と協業し、空間づくりのデジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に強い意欲を持つ丹青社 CMI センター・空間メディアプロデュース室の鈴木朗裕室長にこれからの空間演出におけるデジタルテクノロジーとの向き合い方を聞いた。

空間づくりにおけるDXと映像の可能性

鈴木 朗裕 氏(丹青社)

「クロスメディアインキュベートセンター(現 CMI センター)」を立ち上げたのが2017年。その頃は今ほど頻繁に DX という言葉は使われておらず、デジタルシフトなどと言っていましたが、当時から空間づくりにもデジタルテクノロジーを使う案件がたくさんありました。われわれは床・壁・天井といった内装や展示の設計・施工を行う会社ではありますが、どのような店舗やホテルでも映像演出が行われるようになり、従来は壁紙を貼っていたところにプロジェクター映像を投影するようになってきていました。そのような中で、他社に先駆けて空間づくりを DX していこう、すなわち空間づくりのノウハウにデジタルテクノロジーとそれにまつわるアイデアを組み合わせることで、空間の中にイノベーションを起こしていこうと考えたのです。

ただしあくまでも本業は空間づくり。空間の中で使われるアイデアやテクノロジーの目利きができても、実際に先端テクノロジーを開発していたわけではありません。そういった部分は外部のクリエイターやテクノロジストと連携してやっていくべきと考えていて、これからも積極的に他社と協業していくつもりです。2017年にアシュラスコープインスタレーションと、今年の10月にプリズムと業務提携を締結しました。どちらも映像を駆使した空間演出を得意とする会社ですが、端的に言えば前者は空間の中で映像をどう使うかというソフト面に長けており、後者はソフト側の高い要求に応えるシステム構築力といったハード面に強みを持っています。デジタルで表現の幅を広げていく上で、彼らと組む意義は大きい。3社のノウハウを融合させ、空間構築する案件は今後増えていくでしょう。