ブースデザイナーという職業[対談:ボックス・ワン]

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本記事は2021年2月28日発行の季刊誌『EventBiz』vol.22で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。

『EventBiz』vol.22|特集 2021年、 大注目のブースデザイナー
商談や新規顧客の開拓、パートナー発掘など、展示会にはビジネスを成功させるためのチャンスが無数に転がっている。そのチャンスを確実にモノにするためには、来場者が「見て」「入って」「体験したいと思う」ブースデザインが重要なカギとなる。本特集では、唯一無二の展示会ブースを生み出す選りすぐりの実力派ブースデザイナーに焦点を当て、その価値観やこだわり、アイデアの源泉を探る。

積み重ねていくブースデザイン

加藤 祐介 氏(左)と馬場 智史 氏

馬場 展示会ブースは、良い意味で実験的な試みをクライアント側が許容してくれるのが大きな特徴ですね。前の結果を踏まえ、次に向けてブラッシュアップすることを前提に取り組むことも多い。

加藤 経験や成果を積み重ねていくという特徴は確かにあるよね。例えば一発勝負のショールームや常設の場合は「本当はここの部分こうしたかったのに」と思ってもやり直せない。
展示会の場合は失敗や問題点という一見、ネガティブなものでさえも次回の成功につながるアイデアになるため、クライアントとも前向きに議論できるし、継続的な関係性が構築できているがゆえに本音で話せるものです。

良いデザイナー 悪いデザイナー

加藤 普段、僕と馬場さんが2人で組んで仕事する機会は少ないよね。化粧品メーカーのブースくらいかな。随分前になるけど印象に残っています。

馬場 規模も大きかったし、内容も深かった。今見ても良いブースですよ。求められるハードルも高く大変でしたが、最終的には皆が納得のいくブースになりましたね。

加藤 今やると、また違うブースになるのかな。もっとケンカしたりして(笑)。お互いそんなにデザインの方向性は遠くないんだけど、僕は直線的なものや余白のあるものを好む傾向にある。馬場さんは素材を重ねたり、グラフィカルなデザインが得意だよね。僕はシフォンケーキみたいなデザインだけど、馬場さんはフルーツを挟んだショートケーキみたいな。

馬場 得意料理は違う方が良いですね。僕と加藤さんはシンプル好きな点は共通していますが、加藤さんっぽさを感じるデザインも確かにあります。逆に僕は、父親が電気工事の仕事をしていたため、幼少時はよく現場に連れていかれたのですが、そのせいか自分が絵を描くときは職人さんをひいきしたデザインにすることが多くて。電気の取り付けやすさを、つい意識してしまいますね。職人さんに対し、俺がデザイナーなんだぞ、と威張るような人にはなりたくないと思っているからかもしれませんが。実際、展示会場でもよく見かけますし。