魅力を最大限引き出すブースを共に作り上げる[対談:bird and insect × イド]

対談ARCHIVE
本記事は2021年2月28日発行の季刊誌『EventBiz』vol.22で掲載した内容をWEB版記事として転載および再編集したものです。掲載されている内容や出演者の所属企業名、肩書等は取材当時のものです。

『EventBiz』vol.22|特集 2021年、 大注目のブースデザイナー
商談や新規顧客の開拓、パートナー発掘など、展示会にはビジネスを成功させるためのチャンスが無数に転がっている。そのチャンスを確実にモノにするためには、来場者が「見て」「入って」「体験したいと思う」ブースデザインが重要なカギとなる。本特集では、唯一無二の展示会ブースを生み出す選りすぐりの実力派ブースデザイナーに焦点を当て、その価値観やこだわり、アイデアの源泉を探る。

写真や映像の制作からブランディングまで手掛けているbird and insectは、2020年10月に開催された「コンテンツ東京」に出展。そのブースデザインは、インテリアを中心にプロダクトやグラフィックといったあらゆる分野でデザインを提供する、イドが担当した。出展者とブースデザイナーの関係でありながら、同じ“作ること”を仕事にする2社のトップshuntaro氏と小栗誠詞氏に出展の背景やブースデザイン、共有した思いなどについて聞いた。

得意分野でお互いのクリエイティブを生かす

左:shuntaro 氏( bird and insect )、右:小栗 誠詞 氏(イド)

─出展の背景と、イドにブースデザインを依頼した理由について教えてください

shuntaro 今回、新規顧客の獲得を目的に出展しました。前回までは同じ会期・会場の「クリエイターEXPO」の約2.6㎡のブースに出展していましたが、今回から「映像・CG 制作展」で、18㎡と規模を拡大しての出展を決定しました。小さいブースで出展していた当時から、イドにブースデザインと演出の依頼をしています。実は、ブースをデザインしてくれる企業を探しているときにイド・小栗さんに出会ったわけではないのですよ。小栗さんとは、イドを設立されて間もない頃に、共通の仲間を通じて知り合いました。

小栗 不思議な縁ですよね。一方通行の受発注の関係ではなくて、僕たちもshuntaroさんにインテリアやプロダクトの写真を撮ってもらったり、空間演出のための映像を制作してもらったりすることもあります。ですから、もちろん僕たちはブースのデザインと演出についてさまざまなことを提案しますが、一方で写真や映像については提案される側でもあります。

shuntaro 普段から得意分野で協力しながら、お互いのクリエイティブの質をアップデートしているイメージでしょうか。ただ知り合いだからというわけではなく、空間や写真を通じて自分たちのクリエイティブに対する考え方を共有できているし、僕たちの強みや課題を小栗さんはとても鋭く捉えてくれていると日頃から感じているため、今回の出展についてもデザインを依頼しました。

─ブースデザインを依頼するとき、どのようなオーダーをしましたか

shuntaro 大きいブースでの出展は、小さいブースで得たノウハウとは大きく異なると予想していました。そのため、どのような空間にすれば効果的なのか、ベースから考えてほしいと正直に伝えました。そのうえで、メインコンテンツである写真と映像を目立たせてほしいということ、小栗さんの目線からbird and insectの魅力を引き出してくれるようなデザインの提案をしてほしいということをお願いしました。

鮮明で洗練された空間に

─デザインのコンセプトやこだわったポイントはどのようなところでしょうか

小栗 bird and insectは非常に多種多様な経歴を持ったあらゆる分野のプロでメンバー構成されており、その専門的なスキルを使って、ほかのチームにはできない高品質な作品を生み出しているところが魅力です。この魅力を伝えるために、プロフェッショナルの現場を連想させるスタジオをブースで再現することにしました。スタジオの背景紙をモチーフにしたグラフィックで会社概要や業務内容を伝え、壁面には複数のモニターを設置し、bird and insectが制作した映像の事例を同時に上映しました。

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