『EventBiz』vol.28|特集① 大阪・関西万博に備えよ!
大阪・関西万博の開催まで残すところ1,000日を切った。東京五輪に続く日本経済発展の起爆剤として期待されている大阪・関西万博だが、その準備は既に本格化し企業は2025年を視野にさまざまな取組みを開始している。本特集では大阪・関西万博に向けた国や企業の最新動向を追った。
大阪観光局は、世界から大きな注目を集める2025年大阪・関西万博を契機に、大阪に新たなMICE を創出する「Team OSAKA MICE」を発足させた。さまざまなMICE事業者が垣根をこえてワンチームとなる珍しい取り組みについて、大阪観光局の田中嘉一MICE 政策統括官に話を聞いた。
アジアNo.1のMICE都市目指し一致団結しドリームチームを編成
─ Team OSAKA MICE 発足の背景を教えてください
大阪観光局はコロナ禍を受け、物見遊山の従来型の観光から、「まちづくり」というより本質的な観点で、観光を捉え直しています。その一環で、世界中から人・モノ・情報が集まる MICE 都市大阪を目指して活動を行っています。そしてその目標達成のための起爆剤となるのが2025年大阪・関西万博であり、これを契機に新たな MICE を世界中から誘致するとともに、新たな MICE の創出もしようと始まったのが「Team OSAKA MICE」です。
─大阪における MICE の重要性とは
我々は「MICE は大阪まちづくりのエンジン」と位置付けています。我々が目指す都市像は、世界が憧れる「住んで良し」「働いて良し」「訪れて良し」の世界最高水準、アジアNo. 1の国際観光文化都市です。それを8つのキーワードで表しています。すなわち①体験・感動、②元気・活力、③夢・希望、④多様性・共生・平等、⑤復活・対応力、⑥安全・安心・清潔・防災、⑦分散、⑧環境・みどりです。③夢・希望の中には「世界水準の MICE 施設を持ち、多数のMICE が開催され、人・モノ・情報が集まり、イノベーションと新しいビジネスが生まれる都市」という目標が掲げられています。
─ Team OSAKA MICE はどのようなチームですか
大阪では、大阪 MICE アカデミーという MICE に関わる若手人材を育てる試みがあり、そこの中心メンバーが議論を重ねた結果、誕生したチームです。また、大阪はコロナ禍から日本で最も早く復活を遂げた都市ですが、その過程で MICE 誘致に取り組んでいる PCO や MICE 施設などの事業者と築かれた強い絆があったことも背景にあったと思います。依然としてコロナ禍の影響は色濃く残っており、困っている事業者も多い。普段はお互い競合どうしだが、こういう時だからこそ、万博という千載一遇のチャンスを前に、一つの大きな大義のために一致団結しようとの気運が高まって実現できた、いわば MICE 関係者のドリームチームと言えます。
位置づけとしては公的組織である大阪観光局の活動に、各企業が協力しているといった形です。Team OSAKA MICE 発足にあたり専用のロゴや名刺も作りました。大阪観光局の誘致チームであるという位置付けにより、MICE 主催者にとって、より信頼性が高く、幅広い活動が可能となります。
「まずやってみよう」精神を大事に2025年に向け大きな目標を掲げる
─構成メンバーについて教えてください
先ほど述べた「大阪 MICE アカデミー」の主要会社8社によるメンバーがTeam OSAKA MICE の中心となります。